パーティングライン

ダイカストは金型鋳造法で金属製品を成形するために、型と型の合わせ面が必ず存在する。また2つ以上で組み合わさった間の、製品空胴(キャビティー)に溶解金属を圧入するための湯口(ゲート)と、エアーの逃げ口のゲートも、この型合わせ面(パーティングライン)にある。ダイカストされて出てくる製品のパーティングラインには線跡またはゲート、バリがついている。いろいろなパーティングラインを図示する。

パーティングラインの設計図のマーク矢印は型開き方向を示す

1.パーティングラインのとり方

1つの形状でも、パーティングラインのとり方はいろいろある。要求品質、製造のやり易さ、及びコストで選定される。

1. パーティングラインは円柱の直線部は一直線に、円部は円の外周にそっている。

2. パーティングラインは円柱の中央部をぐるっと囲む。

3. パーティングラインはコップ(円柱)の飲み口のふちをぐるっと一周。

2.段差のあるパーティングライン

L型角柱製品のパーティングラインを段差にした場合

3.曲面のパーティングライン

例えば飛んでいる鳥のパーティングラインは輪郭線にそった複雑な三次曲面になる。金型の加工技術の進歩で比較的容易にダイカストが可能である。

4.アンダーカットのあるパーティングライン

アンダーカット*のある製品では型が3つ以上になり型の合わせ面すなわちパーティングラインも複雑になる。ワイングラスのようなものは型が3ヶからなることにより、型の抜き方向も、3方向となる。3つ目の型を中子という。 (*通常の2方向抜きの型すなわち2つの型では形ができない。抜き方向と異なる方向にある空胴をアンダーカット部という。)