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現在8mm径以下の小径ボルト・ナットも溶融亜鉛めっき加工が施されている。しかし,このボルト・ナットの付着量については,JIS H8641の2種のうち最少値のHDZ
35(付着350g/m2以上)が適用されたり,無規格品として取扱われるなど統一されていない。
1.調査の方法次の2項目について調査し付着量の限界値を求める。
2.調査結果2.1 理論的付着量(1)JIS B0205メートル並目ねじによる,M8ボルト・ナットの標準寸法は表1の通り。 (2)ボルトとナットと接触面のすき間
めっき有効面は4面あるので,全く均一なめっき厚さを考えると,嵌合可能なめっき厚さは一面当り0.05mmとなり,亜鉛の比重を7.0g/cm3とすると,亜鉛の付着量は350g/m2が嵌合可能な上限値となる。 2.2 テストめっきによる実付着量表1に示した標準寸法のM8ボルト・ナットを,浴温500℃,520℃,540℃浸漬時間50秒,80秒の条件でテストめっきを行ったがその結果を表2,および図2に示す。これから明らかなように,HDS 35を満足しているのは,浴温の3水準と浸漬時間80秒の組合わせであるが,その殆どは嵌合不良となった。 3.むすび
理論的付着量およびテストめっきによる実付着量の調査結果から,特定のめっき条件下では,8mm径以下の小径ボルトでも,JIS H 8641に規定されている最少値350g/m2の付着量を得ることは可能であるが,ボルトの最も重要な性能である嵌合がほとんど不良で,実用性の全くないことが明らかとなった。
350g/m2の付着量を満足し,かつ良好な嵌合状態を得るには,一般に採用されている0.4mmのオーバタップでは不足で,少なくとも0.7mm以上は必要となる。
溶融亜鉛めっきボルトは,一般に浴温500℃,浸漬時間30〜50秒の条件でめっきされ,付着量は,200g/m2〜300g/m2は十分確保されており,通常の電気めっきボルト(付着量50g/m2程度)より耐食性が良好であることは使用実績から確保されている。
以上の結果から,8mm径以下の小径ボルト・ナットにHDZ 35の規格を適用することは適当でないと考える。したがって,工事仕様書などの作成に当っては,無規格として取扱ってよいと判断される。
ボルト・ナットを使用する場合,通常本体部分の付着は高いので,それと同程度の耐食性をもたせるには,ボルト接合後高濃度亜鉛末塗料を塗布して,防食性能を付加する方法がよい。
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